×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

DORAEMONS

第一話 使徒、襲来

B−part


<5>


(――勝てると思う?)
(多分、無理です。)
(――戦えると思う?)
(多分、無理です。)
 シンジは、無益な自問自答をしていた。
 夜の第三新東京。ライトアップされたビル群を眺める。
 いや、見るべきモノは、目の前の化物だろう。
 化物は、『使徒』というのだとシンジは説明を受けた。なんでも人類の敵らしい。だから倒さねばならない、とのことで、それを倒す役目が何故かシンジに振 られているのだと。
 いい迷惑だ、とシンジは思った。恐怖より先に怒りが湧いてきた。
(なんで僕が)
 別に死ぬのは怖くない。そう思うことで、今までやってきたのだ。今更なんだ、この程度。
 しかし、誰かの都合にいいように振り回されるのは嫌だった。
(今までも放っておいたんだから、これからもずっとそうしてくれればいいのに)
 シンジは舌打ちした。
 乗せられたロボット――エヴァンゲリオンのコクピットに付けられているスピーカーから、彼を呼ぶ声がした。
『シンジ君、落ち着いて! 今はまず歩くことを考えるんだ!』
 ドラえもんの妙にユーモラスな声が腹立たしい。
 緊迫感の欠片もないじゃないか、とシンジは一人呟き、エヴァンゲリオンの操縦桿を握りこんだ。

<6>


 結果など、最初から知れていた。
 突然、何の訓練も受けてない人間を戦場に放り出したところで、勝てるはずなど無いのだ。
 エヴァンゲリオン初号機の活動停止サインを受けたオペレーターは、上司に指示を仰いだ。
「……まだだ、現状維持」
「そんな、彼を救出しないと!」
 部下の悲鳴のような声にも、ゲンドウは表情を変えなかった。
「聞こえなかったのか? 現状維持だ」
 ドラえもんは、スクリーンに大写しされたエヴァンゲリオンを見て、思わず腹のポケットを漁った。
 ――何も入っていない。それが何故かたまらなく不安だった。
 タヌキは考える。自分にはなぜポケットがついているのか?
 彼が目覚めたのは一年前。それ以前の記憶は無い。ゲンドウ達が言うには、彼は犯罪組織にAIを弄られ、犯罪に加担していたのだという。
 それが本当だったなら、とてもひどいことをしてしまった、と思う。
 しかし、記憶に関してはそれでせつめいできるが、このポケットは何なのだ?
 今までも、今のようなことがあった。何か困ったことがあったり、事件や事故が起こったと聞くと、条件反射のようにポケットに手を突っ込むのだ。
 ここには、何も入っていないことなど分かっているのに。
 ドラえもんはゲンドウが何を考えているのか分からない。この状況、間違いなくシンジは死ぬ――そして、自分には、それを助けられる『力』があるはずだっ た。
 それは確信に近い信仰だった。ポケットの中には、全てを超える兵器があったはずなのだ。
 


<7>


「――空気砲、ロックオン」
 人影。
 エヴァンゲリオン初号機に止めを刺そうと接近する使徒を遮るように、『彼』は立ち塞がった。
 しかし、使徒と『彼』のサイズ差は比べるまでも無い。
 潰される。常識で考えるならそうであった。
 だが、『彼』――NOBITAに、常識など、通用しない。

 閃光が、使徒を貫いた。



続き